【ゆるっと薬剤師コラム】Vol.09 抗菌薬と耐性菌
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風邪を引いて病院で受診し抗菌薬が処方されたことや、風邪っぽいからと抗菌薬をもらいに行ったことはありませんか?
風邪と一言で言っても、その分類は様々です(図1)。
風邪の主な原因はウイルス(80~90%)であり、ウイルスによる風邪には抗菌薬は効果がありません。(インフルエンザや新型コロナも原因はウイルスです)
風邪と一言で言っても、その分類は様々です(図1)。
風邪の主な原因はウイルス(80~90%)であり、ウイルスによる風邪には抗菌薬は効果がありません。(インフルエンザや新型コロナも原因はウイルスです)

抗菌薬とはそもそも細菌に対して作用する薬剤であり、ウイルスが原因の風邪に対して服用しても効果が無く、それどころか不必要な抗菌薬の使用により体内に存在する細菌が抗菌薬に対して耐性(効きにくくなること)を持つようになります。こうして耐性を持った細菌が原因となり感染症(細菌感染症※)を引き起こした時、抗菌薬を使用しても効果が得られなくなってしまいます。
現在、このような耐性菌が世界中で問題となっており、このまま耐性菌への対策を講じなかった場合、2050年には世界で年間1,000万人が死亡し、がんによる死亡者数を超えると予測されています。
現在、このような耐性菌が世界中で問題となっており、このまま耐性菌への対策を講じなかった場合、2050年には世界で年間1,000万人が死亡し、がんによる死亡者数を超えると予測されています。

◆どうすれば耐性菌の拡大を防ぐことが出来るの?
1.感染症を予防し、抗菌薬を使用する機会を減らす
そもそも感染症にかからないようにすることが、抗菌薬の服用機会を
減らすことにつながりますので、感染予防が耐性菌対策の重要な手段
となります。感染症を予防するための方法には、日頃からの手指衛生
(手洗い等)やうがい、必要に応じたマスクの着用が重要です。
そもそも感染症にかからないようにすることが、抗菌薬の服用機会を
減らすことにつながりますので、感染予防が耐性菌対策の重要な手段
となります。感染症を予防するための方法には、日頃からの手指衛生
(手洗い等)やうがい、必要に応じたマスクの着用が重要です。

2.抗菌薬を使う機会を本当に必要な時だけに絞り込み、不必要な使用を避ける
感染症にかかった場合でも、医師に自分の症状を詳しく説明し、医師が正しい判断を下せるようにしてください。前述のとおり、ウイルスが原因の風邪には抗菌薬が効きませんので、抗菌薬が処方されない場合にも、抗菌薬を不必要に求めないようにすることが重要です。
3.処方された抗菌薬は必ず指示通りに飲み切る
抗菌薬が処方された場合には適切に使用する事が重要です。
医師や薬剤師の説明から外れた使い方(自分の意思で減らしたり、途中で飲むことを止めたりする等)をすることで、新たな耐性菌が出現するリスクが高まります。
抗菌薬を残しておいて後で使おうと考えることもあるかもしれませんが、抗菌薬が効くかどうかわからない状況での使用が思わぬ副作用につながりかねませんので、医師の指示なく抗菌薬の使用を止めたり、もし手元に抗菌薬がある場合でも使用したりすることは止めましょう。
※抗菌薬を使用して具合が悪くなった場合には、必ず医師に相談してください。
感染症にかかった場合でも、医師に自分の症状を詳しく説明し、医師が正しい判断を下せるようにしてください。前述のとおり、ウイルスが原因の風邪には抗菌薬が効きませんので、抗菌薬が処方されない場合にも、抗菌薬を不必要に求めないようにすることが重要です。
3.処方された抗菌薬は必ず指示通りに飲み切る
抗菌薬が処方された場合には適切に使用する事が重要です。
医師や薬剤師の説明から外れた使い方(自分の意思で減らしたり、途中で飲むことを止めたりする等)をすることで、新たな耐性菌が出現するリスクが高まります。
抗菌薬を残しておいて後で使おうと考えることもあるかもしれませんが、抗菌薬が効くかどうかわからない状況での使用が思わぬ副作用につながりかねませんので、医師の指示なく抗菌薬の使用を止めたり、もし手元に抗菌薬がある場合でも使用したりすることは止めましょう。
※抗菌薬を使用して具合が悪くなった場合には、必ず医師に相談してください。
★★ 抗菌薬の適切な使用と感染症の予防が、耐性菌問題の解決策につながる ★★
・手指衛生(手洗い、手指消毒)
・咳エチケット(マスク)、うがい
これらを普段から実践することで抗菌薬の使用を減らすと同時に、インフル
エンザや新型コロナ等、ウイルス性の感染症の予防にもつなげましょう!
・手指衛生(手洗い、手指消毒)
・咳エチケット(マスク)、うがい
これらを普段から実践することで抗菌薬の使用を減らすと同時に、インフル
エンザや新型コロナ等、ウイルス性の感染症の予防にもつなげましょう!
