1.ライフステージにふさわしい口腔ケアの展開
当科は昭和55年(1980年)の開設です。わが国で高齢者歯科医療がまだ手探りであった頃、当科は数多くの治療技術や心身両面にわたる対応の工夫を発信してきました。当科は、こうした、4半世紀以上にわたる高齢者歯科治療のノウハウの蓄積が財産となっています。
ここ10年間は、「55歳からの歯科治療」というスローガンのもと、「全身と咬合」のつながりを重視した「咬みあわせ治療」を基礎に、望ましい歯の治療、身体的に無理のない治療、経済的に負担が少なく、かつ、治療だけでなく予防にも繋がる歯科医療を、患者さまのライフステージに応じた治療計画を作成した上で実施し、成果をあげています。
2.高齢歯科患者の全身管理と抜歯処置
歯科治療といっても、例えば、抜歯処置は、健常者でも心身への負担が大きいものです。
しかし、永生病院の入院患者さまには、当科が病棟主治医やナースステーションと協力して全身管理にあたりますので、抜歯などの歯科処置も安心して受けることができます。
抜歯後の出血、痛み、はれ、薬の服用など、ご自分やご家族による自宅での管理が難しい処置は入院中に終えることができため、退院後には「かかりつけ歯科医」にも喜んでいただけます。 また、永生クリニックに通院されている患者さまについては、担当医との綿密な打ち合わせのもとに歯科処置を進め、自宅管理の方法などをお教えします。
このために、専門的な知識と技術をもった2名の「口腔外科専門医」が勤務しています。
3.日常生活と地域に密着した歯科医療の提供
当科は、入院患者さま・外来患者さまともに生活に密着した歯科医療の提供を心がけています。
当科の治療時間は午前9時から午後4時30分までですが、検査・処置・治療や入浴・食事・散歩などの病棟スケジュール、ご自宅からの交通手段、永生クリニックでの診察、地域の行事などを勘案し、待ち時間がもっとも少ない目安の来院時刻にもとづいて予約を受けています。
また、患者様に必ずお渡しする「次回予約票」には、診療日や時刻のほか、おおよその治療時間も記載しておりますので、治療後のご予定にお役立ていただけます。
さらに、病院と診療所との連携(病診連携)として、永生病院周辺で開業しておられる歯科医院から依頼される病院歯科口腔外科の治療にも、積極的に取り組んでいます。
4.口腔外科専門治療の提供
当科は、医科疾患にかかっている有病者の歯科治療を専門としていますので、難易度の高い抜歯処置、義歯治療や義歯を支える歯科インプラント治療に対応する技術を提供しています。 これらの技術は高齢者に限るものではありません。
次のような疾患については、あらゆるライフステージの患者さまに納得していただける状態で提供できる体制を整えています。
●埋伏智歯の抜歯―口の中に生えていない親知らずがある方。
●顎関節症―顎を動かすとカクカクと音がしたり、痛みが出たりする方。
●舌疼痛症―舌の外側がヒリヒリと痛い方。
●インプラント歯科治療―あえて取り外しの入れ歯を入れたくない方。
●落ち着かないデンチャー(入れ歯)―入れ歯の使用に苦労しておられる方。
●デンチャーの違和感―食べ物の食感や味に満足できない方。
●気がかりな歯の色・形や歯並び―白い歯にしたい方。
●口腔がん検診―歯肉、舌、唇などの粘膜のはれやただれが心配な方。 |